2016年7月13日水曜日

NAS「illmatic」



どんなジャンルの作品にもどんなアーティストにも「最高傑作」「名盤」と呼ばれる作品

があります。NASのillmaticもHIPHOPを語る上でマスト中のマスト。しかしこの作品にお

いては、数ある「最高傑作」「名盤」と呼ばれている作品のなかでもちょっと別次元。

はこれを聴くことで「HIPHOPってものすごく高度な芸術作品なんじゃないか?」という

疑問を持つことになりました。




NAS「illmatic」1994年発売。

Who's NAS??

活動期間:1991年~
出身:ニューヨーク クイーンズ

文学性の高い深みのあるリリックが高く評価されており、HIPHOP界最高のリリシストの一人に数えられ数々のクラシックを生み出してきた。多様な方向性に拡散を続けるこのシーンにおいて唯一、誰からも認められる最高のアーティストである。デビュー作「illmatic」は”ラップ史上最高傑作”と現在も語り継がれており、その後のラップシーンに多大な影響を与えた。


NASは人生の早い段階で学校に行くことを止めています。ただNASの書くリリックを見る

と、学校で学ぶことが人生において必ずしも必要なことではないということを思い知らさ

れてしまいます。ストリートで生きる中で得た知識や経験を基に綴ったリリックは、複雑

な言い回しや高いストーリーテリング力で成り立っています。例えば2曲目「Life' a Bitch」

という曲では”Bitch”という言葉に”厄介”とか”くだらない”などの意味をもたせています。

”人生はくだらなくてどうせ死んでいくだけだろう”というどこか冷めた視点のリリックな


のですが、このフレーズを繰り返すフック(サビ)を初めて聴いたときになんだか溶けて

しまいそうな感覚に陥ってしまいました。

派手な音や高度な楽器演奏の技術がなくても、聴いた人の心を大きく動かせることができ

る。この作品には、出会ってからずーっと圧倒されっぱなしでいます。



また、ライミングというものに意識し始めたのもこの作品からで、”Halftime”のはじめ、

You couldn't catch me in the streets without a ton of reefer
That's like Malcolm X catching the Jungle Fever
King poetic. Too much flavor, I'm major
Atlanta ain't Brave-r, I'll pull a number like a pager

この流れはいつ聴いても打ちのめされてしまいます!


また、トラックメイカーも東海岸のオールスターで、気に入ったトラックから、そのプロ

デューサーが所属しているグループまわりを聴き始めるという楽しみ方もできます◎私は

そこからDJプレミア、ピートロック、ラージプロフェッサー、L.E.S、Q-Tipを知り、ます

ますHIP HOPに深くはまっていきました。

この作品は聴けば聴くほど感じ方・楽しみ方が増してくんじゃないかなと感じます。

自分の中で人生が変わったと言って良いレベルの作品です。

0 件のコメント:

コメントを投稿